アーカイブの活用

 

鉱山と町を活性化させる起爆剤

東北は鉱産物の宝庫で、かつてはいたるところに鉱山がありました。しかし、産出量の減退や産出コストの高騰により、鉱物は海外産に依存するようになり、国内の鉱山はそのほとんどが閉山になっています。先日は、そんな鉱山のひとつを訪ねました。

かつて鉛や亜鉛を産出していたその鉱山は、昭和末期に閉山になっているにもかかわらず、製錬所は盛業中でした。聞けば、自動車の廃バッテリーから鉛をとりだすリサイクル事業を、永年培った技術や施設を活用して展開しているとのことでした。今は住む人の居ない周辺の鉱山住宅群も活況を呈していました。「古きよき時代」を象徴するレトロな町並みは、映画のロケに使われ、観光スポットになりました。町では受け入れ態勢を整えています。

こ の鉱山と麓の町を結んでいた鉄道も、数年前に惜しまれつつ廃止となってしまいました。しかし、駅や車両はもちろんのこと、創業以来の貴重な書類や、駅などで使われていた資材が大切に保存されています。鉄道会社OBを中心に熱心な保存運動が取り組まれ、今も続いています。いずれは、車両を再び走らせ「動態保存」して、鉄道ファンや観光客を集めようという構想があるそうです。これらの鉱山と鉄道の遺産は、その価値を認められ経済産業省「近代化産業遺産」に認定 されました。

ここでは、地域の歴史や文化、その遺産を大切にし、現在・未来に活かしていこうという姿勢が貫かれています。そのことが、新たな産業や観光需要、雇用を生み出し、町を活性化させる起爆剤となった事例として、たいへん興味深いと思いました。

社史・アーカイブ総合研究所

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