東京電力が福島第1原発事故をめぐって対応を協議した社内テレビ会議の映像の一部のみが報道陣へ公開された内容に対して、日本新聞協会が全面公開すべきと東電へ文書で申し入れたとのことです。東電に対しては、同様の批判的な意見が各方面から、多数寄せられているようです。
企業の社内テレビ会議の光景が公開されるということは、一般の企業では、考えにくい出来事です。日本新聞協会は「東電は国が出資する企業であり、情報公開や説明責任がより厳しく求められる」と主張しています。それだけ、東電がもたらした今回の問題は社会的に重大であり、原因究明のために組織が所持している資料を公開することが、社会的に求められているのです。
情報の公開・非公開の可否を判断することが企業サイドに委ねられているために、推測できる材料も限られてしまいます。この状態に対する社会からの否応なしの開示請求が、官民問わず組織に起こりうる時代が到来していることを直視しなければなりません。
情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律も拍車をかけています。法律そのものに企業に対して義務付けられたものはありませんが、行政の活動を通して開示される情報の中に、間接的に影響が出てくる可能性もゼロではありません。
情報の開示によって、コンプライアンス違反や違法行為が判明した場合、企業に対する社会的評価は、地に落ちます。名実ともに責任を果たせる企業活動を展開し、いつでも、ためらいなく情報開示できる体制を整えておくことが必要なのではないでしょうか。
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