2012年2月16日、国立国会図書館は、総務省「知のデジタルアーカイブに関する研究会」実証実験との連携を開始しました。この連携は、都道府県レベルの機関による支援を受けながら、地域の「知の記録組織」が持つデジタルアーカイブのメタデータ(目録情報、書誌情報)を集約し、国会図書館サーチ(NDLサーチ)に提供するというスキームの先行事例になるものと考えられているそうです。地域の「知の記録組織」には、MLA機関(Museum、Library、Archives)や行政情報センター、研究機関などが含まれます。
「知のデジタルアーカイブに関する研究会」は、総務省が「図書・出版物、公文書、美術品・博物品、歴史資料等公共的な知的資産の総デジタル化を進め、インターネット上で電子情報として共有・利用できる仕組み(デジタルアーカイブ)の構築による知の地域づくり」を目指し、2011年2月より研究会の会合が始められました。この研究会は国立機関、大学、民間企業、NPO法人などに所属している様々なメンバーで構成されています。
デジタルアーカイブの用語そのものについては、既に社会的に認知されてきています。最大の基本的なメリットは、「誰でも、いつでも、どこからでも、有用な知的資産にアクセスすること」と、この研究会で意義づけられていますが、反面、コストと人的資源が不足している理由などから地域の中小規模館では進められない現実を抱えています。また、東日本大震災を機に災害に対する構えも含め、デジタルアーカイブを構築するためのガイドライン案も提示されました。
このガイドライン案を読むと、システム構築コストの参考数値やデジタル化の仕様書などの実例など多岐にわたって盛り込まれています。既に目録情報のデータ(メタデータ)が存在している各館が対象となっており、目録情報データをこれから作成したいと考えている機関はどんどん出遅れをとってしまうのではないか、という懸念が生じます。ガイドライン案におけるメタデータの標準化に関わる内容も、もう少しわかりやすく実行しやすいものであってほしい、とアーキビストとして感じました。今後の動きに目が離せません。
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